それでも季節は廻っている
遅れてきた台風の風は、肌に染みるように冷たくて寒い寒い真冬を思い出させる。
厚着をしてコートを羽織りマフラーを巻く。体が重くなって上手に歩けない。ぼんやりとした頭で思考する。
「はて?今年は紅葉した木々をさっぱりみてないぞ」
もうすぐ秋が終わる。いや、すでにもう終わってしまったのかもしれない。
窓に写る景色がくすんでいる。静けさが横たわったホーム。電車の揺れる音がやけに耳に残る。気がつけば眠っていた。
翌日、空を見上げた。透き通るような青と流れる大きな白い雲。不意に日差が目に飛び込んだ。夏をちょっと思い出した。
ゆきさんの家の近くには銀杏並木があったな。隣町の陸橋からは綺麗な夕焼けが見れるだろう。まなちゃんが高尾山に登りたいと言っていた。紅葉狩りはまだ間に合うだろうか?
秋を見つけよう。冬にストップをかけろ。お前の出番はまだちょっと先のはずだ。
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ました。
ぎりぎりでした。
季節の変わり目で風邪をひかれてる方も多いようで、みなさま体調にはくれぐれもお気をつけください。
では、
では散歩にでも行ってきます。
ではでは。
では。
夏の経験値
住宅街をくねくねと当てもなく自転車散歩。
「「今年の夏は暑い暑い!いつになったら終わるんだ!」」
なんて、みんなは騒いでいるけれど。4時を廻れば日差しは和らぐし、風は冷たくて心地いい。だからわたしの漕ぐ自転車はすいすい進む。
公園の中を突っ切って、線路の脇をすり抜けて、並木道を駆け抜ける。
気がつけば知らない場所。急に増える坂道。突然現れた小さな川。子供たちが遊んでる。
駅から歩いても15分。ここは東京。住宅街の中にあるような川で泳いで大丈夫かな?
驚いた。覗いてみたら川の水はとっても綺麗。わたしも思わず飛び込みたくなったくらい。
飛んで跳ねて笑ってバシャバシャ。子供たちはあそぶあそぶあそぶ。
「もうすぐ夏は終わるんだよ」
なんてわたしが言っても。
彼らは信じてくれないんだろうなぁ。